ケーキ型の活用法と東急ハンズ礼賛

 酔っぱらった勢いで日曜の昼日中という最低のタイミングで築地に行ったらちょうどよく豪雨に見舞われ、早く店を閉めたいおっちゃんから、酔っぱらった勢いでマグロの中落ちと鮭の切り身、あわせて1、2kg買い込んだ。帰りにまな板も買った。ハンズで三千円、築地の買い物より高かった。本当にハンズはえらい。東急ハンズに行って金を出しさえすればたいていのことは解決するのだ。いつか彗星のしっぽが地球に重なってこの世から酸素がなくなっても、東急ハンズに行けばなんとかなることだろう。築地の移転も東急ハンズが何とかしてくれるかもしれない。金で。

 新品のまな板にマグロを載せたらサイズ感がおかしかった。魚屋でみると普通の大きさでも、まな板に載ってしまうとにわかにデカく見えるものである。急に酔いが冷め、その日は冷蔵庫に放りこんでなかったことにした。

 翌日、しらふで冷蔵庫を開けると、かなりのスペースがでかい魚の死体によってデッドスペースと化していた。これは、料理するしかない。食わねばなるまい。覚悟を決めて、マグロを再びまな板に載せた。これが本当の俎上の魚である。全然うまいこと言えてないけど、こういうのゼロベースで考えるっていうんでしょ?

 で大好物のなめろうを作ったりして頑張って大分食べたんだが(めっちゃうまかった)、当然食いきれない。この旨い魚を冷凍して台無しにするのはあまりに惜しい。魚をすこしでもマシな状態で冷凍するには冷凍の速度を上げるためにステンレスに載せて冷凍庫に入れるのがいいのだが、我が家にバットに類するものはない。なんか使えそうなものは、と頭上の戸棚を開けると、銀色のまるいものが見えた。ケーキ型である。

 魚のさくは一般的にかなり長めの長方形だ。それがふたきれあったのを半分ずつ食べ、かなり短めの長方形になったのが功を奏してまるいケーキ型にぴったりおさまった。このケーキ型もしかして築地で売ってたのかな?これ用に?いや、これも東急ハンズで買ったように思う。こんな時のために東急ハンズはケーキ型を2way使用にしていたのか?マグロ冷凍容器とケーキ型の2way。東急ハンズが天才すぎる。東急ハンズすごい。東急ハンズのカード久しぶりに使ったら久しぶりすぎたらしくて結構たまってたはずのポイントぜんぶ切れててゼロからのスタートになってたけど全然憤りがわいてこない。丸いからうちの小さい冷凍庫にも入れやすい。ふたはないけど小さいほうを下にすれば重ねやすい。しかも底が外せるし、なんだかケーキみたいな形をしていて愉快である。東急ハンズが本当に神。

 また東急ハンズで使いもしないケーキ型だの不要な工具だの買ったら最後二度と広げないけどすてきな模造紙だのごちゃごちゃ買いたい所存である。

 

 そういうわけでうちにまぐろと鮭がめちゃめちゃ余ってるので誰かお米もって食べにおいで。