2014-01-01から1年間の記事一覧

ねむりのこと

夢の中で、これは夢だと疑っていることのあわれさ。苦しさ。 夢の話はつまらないというが私は夢の話が好きだ。本人だけがつらくて面白くて話しているその気持ちがうつくしいと思う。子守唄に「起きて泣く子のつらにくさ」という言葉があって、これは母親では…

忘却が作り出す匂い

久しぶりに実家に帰ったら完全に年寄りの家の匂いになっていた。あるいはもとからある程度年寄りの家の匂いだったのに住んでいる間は気づかなかっただけかもしれないが、それにしてもあんまりだと思うほど年寄りの家の匂いがしていた。年寄りの家の匂いを君…

FJSBのKKDについて

私は飲食店を探すのも好きだし料理も得手なのでそこそこいいもん食ってると思うが、冨士そばのカレーかつ丼は至高である。最高と至高の戦いとかどうでもいい。冨士そばのカレーかつ丼の一人勝ちだ。美味しんぼの最終回は雄山を冨士そばに連れて行って終了だ…

約束をしたはずなのにあのこたち私を抜きで遊んでる夏

感じやすい子どもの体躯で息をするまだ暫くはそれを堪えてる 吠えたくる夜中の犬はかなしくて昼間の犬はねむってゐる様 赤チンにオキシドールに絆創膏それだけ入れた抽斗のにおい 夏が嫌い日射しが日々を殺してて遠くとおくで何かのお祝い 約束をしたはずな…

ケーキ型の活用法と東急ハンズ礼賛

酔っぱらった勢いで日曜の昼日中という最低のタイミングで築地に行ったらちょうどよく豪雨に見舞われ、早く店を閉めたいおっちゃんから、酔っぱらった勢いでマグロの中落ちと鮭の切り身、あわせて1、2kg買い込んだ。帰りにまな板も買った。ハンズで三千…

コンクリートジャングル東京のどこに木のまな板は売っているのか

まあ私も上京3ヶ月とはいえ神奈川出身なので、たいていのことはロフトか東急ハンズかニトリに行けば解決することは知っているのだが、しかし、まな板が割れたのだ。 100円均一で買った(少なくとも自称は)桐のまな板は、割れていなかった時は薄いながら…

この夏はクーラーを使おうと思う

私は夏場あまり冷房を使わない。ほとんど扇風機で何とかしてきた。大体夏は暑いし冬は寒いのが当然で、それはそういうものだから別にいいのだ。とは言いながらも私も弱冷房車には乗らないし暑い暑いと文句を言うのだが、少なくとも私の家において扇風機は重…

コンタクトレンズが乾いてひっついて取れなくて、悲しいことを思い出そうとする

映画は消費財だから好きでない。 私が最新の映画を見ない理由はこの一文で言い尽くすことができる。作品としての質を論じたいのではない。最近の映画はろくでもねえなとかいいたいわけではない。ただそれは、泣く(あるいは感情を動かす)というスポーツとし…

死ぬという動作も、生きているうちのひとつ

ごく近しい友人が、こんど死ぬことになった。 その報告を私は明け方に電話で受けた。夜明けの住宅街は薄グレーのぼんやりした光りを投げかけている。始発前に終わったバイトの帰りで、家の近くでタクシーを降りたところだった。声が筒抜けの木造アパートで明…

ないものねだりの物語...「かぐや姫の物語」「レベッカ」

角川シネマ有楽町 2014.3.13 高畑勲 「かぐや姫の物語」 午前0時の映画祭 http://0eiga.com/ 2014.3.22 アルフレッド・ヒッチコック 「レベッカ」 最近、楢山節考を再読した。 楢山節考は姥捨て山の話だ。しきたりに従って真冬の楢山に捨てられることになる…

コーヒーなんて飲めなくていい

おっさんのドブみたいな口臭ってコーヒーとタバコでしょ。だから、コーヒーなんて飲めなくていい。コーヒーなんてドブだ。ドトールの泥水をすするのだ。みんな味なんかわかんないで飲んでるに決まってるし、コーヒーのよさっていうのは、「ドブってはまって…

突然大島渚祭 1.戦場のメリークリスマス

ひかりTVどこでもという、お金払うといっぱいてれびがiPhoneで見られるサービスに内村さまぁ〜ずを見る為だけに登録してます。映画もいっぱいあることには薄々勘付いていたのですが映画は映画館!と思い込んでいるので見たことがなかったのです。でもお金も…

この世のどこかにあの子よりも私に似合う服があるのかな

Kitsuneというブランドの、それはそれはすばらしいニットがずっと欲しかった。 欲しくって欲しくって、伊勢丹へ行って眺めてはため息をついていた。しばらく置いてあったけれどもそのうちなくなってしまった。欲しかったなァ、欲しかったなァとずいぶんクヨ…

じゃりン子チエと「明日、ママがいない」

「明日、ママがいない」というドラマにおいて、主人公が赤ちゃんポスト出身であることを意味する「ポスト」というあだ名にいちゃもんがついて話題になった。(観ていないので合ってるかどうかわかりませんが)これは主人公自身が自嘲をこめて自称したあだ名…

菅原孝標女のヤバさ

今週のお題「日記・手帳」 高校時代、更級日記が好きだった。好きだったというより、あれは同族嫌悪の怖い物見たさだったのだろう。 要するに更級日記というのは、本に人生をめちゃめちゃにされた女の自伝である。私みたいじゃないか。 要しすぎたのでもうす…